世界遺産の「那智の滝」「熊野古道」を目当てに来られる方が多いと思います。
でもでも、那智の滝までの間にも(規模は小さいながら)見所はあるんですよ~。
「熊野古道」は熊野詣に利用された古い道の総称ですが、ここでは海岸沿いの国道42号線から、那智の滝方面へ伸びている県道沿いにご紹介していきたいと思います。
というのも、那智参詣曼荼羅に描かれているエリアがその辺だから(*´ω`*)
◆那智参詣曼荼羅(なちさんけいまんだら)とは……
16~17世紀(室町時代)にかけてつくられた、熊野への参詣者を誘うための絵図。
熊野比丘尼(くまのびくに)とよばれる女性たちが全国をまわり、曼荼羅を見せながら「熊野はこんなにありがたいところなのですよ~、お参りすると徳がありますよ~」と宣伝したそうです
ということで、勝手に始まりました「熊野古道を歩こう」シリーズ、記念すべき第1回は補陀洛山寺(ふだらくさんじ)です。
補陀洛山寺は天台宗の寺院で、世界遺産の一部と認定されています。
補陀落とは古代サンスクリット語の観音浄土を意味する「ポータラカ」の音訳といわれています。
ポータラカ→ふだらく ……?(;´Д`)
中世日本では、遥か南の海の果てにこの「補陀洛」が存在すると信じられていて、これを目指して船出することを「補陀洛渡海」と称しました。
船出した「那智の浜」(海水浴場:ブルービーチ那智)が近くにあるからか、熊野年代記や平家物語などの古書には「浜ノ宮」「渚ノ宮」という名前で記録が残っているそうです。
現在も補陀洛山寺周辺は「浜の宮」という地名で呼ばれているんですけども、とても古い呼び名なんですねえ……(*´ω`*)
本日は、新古今和歌集におさめられている衣笠内大臣の歌で〆たいと思います。
「渚の森」は現存はしていませんが、色々想像するのもロマンを感じますね(*´ω`*)
むらしぐれ いくしほ染めてわたつみの 渚の森の 色にいづらむ
補陀洛渡海については次回(*’ω’*)ノ